<全画面でご覧になることをお勧めします>
ご意見・ご感想はこちらへどうぞ。
![]()
平成11年度 卒業論文
居眠りの教育的位置づけを考える
−「教育的居眠り」を活かす教育づくり−
奈良教育大学 幼稚園教員養成課程
教育学コース 岡本研究室
963010−7 新宅健太郎
![]()
目次
(クリックすると移動します)
はじめに
第1章 さまざまな眠りのかたち
第1節 生理的な眠り
第2節 居眠りと睡眠
第3節 「教育的居眠り」とは
第2章 教育を受ける側の居眠り
第1節 幼児の居眠り
第2節 中学生の居眠り
第3節 学生の居眠り
第3章 「教育的居眠り」を活かす教育づくり
第1節 教師の居眠りに対する見方
第2節 養護教諭の居眠りに対する見方
第3節 居眠りから見た教育
おわりに
資料 参考文献
![]()
はじめに
僕は眠ることが大好きである。というよりは、疲れたときには眠るのが一番だと思っている。そう考えると、学校の授業中でも平気で眠るようになっていた。友人から「よく寝てるね」とか「また寝てたね」とよくいわれたものである。いや、今でもよくいわれている。僕は自分が授業中に寝ていることを悪いと思ったことはない。ただ、いいことだと思ったこともない。それは、自分が寝ていたことを自分だけの関係で見てきたからに違いない。そこで、自分がいままでやってきた居眠りを客観的に見ると、様々な疑問が次々と生まれてきた。
居眠りという行為は、誰もが経験しているであろう。電車の中、図書館、勉強机の上など、さまざまな場所で居眠りという現象は見うけられる。ほとんどの場合、大きないびきでもかかない限りは、他人に起こされることもとがめられることもないであろう。しかし、教育現場での居眠りでは、少し違った問題がある。
教育現場、たとえば学校の授業中の居眠りでは、起こされる、怒られるというイメージが大きい。これに関して、居眠りをしていたのであるから当たり前だ、という意見は多いであろう。ここから、居眠り=悪いことである、というイメージがあることがわかる。そして、多くの居眠りについての問題はこの時点で終了してしまうのである。
居眠りの原因はどこにあるのであろうか。ただ単に睡眠時間が足りないだけなのであろうか。どうして授業中に居眠りをしなければならないのであろうか。夜、家庭でぐっすり眠れない原因があるかもしれない。そうやって、居眠りひとつをとりあげてみても、さまざまな情報があふれ出てくる。居眠りをただ良し悪しだけで片づけてしまうことで、その情報を見逃してしまうのではないだろうか。子どもたちの背景を理解し、よく知ることが、よりよい教育につながっていくのではないだろうか。
現在、世間では、議会議員などの居眠りの是非が問われ、立川談志さんの独演会では居眠りをしていた人が退席を命じられ、裁判沙汰になったことなどからも、居眠りは社会問題であるといえる。そして、居眠りから情報を得て、教育に生かせるのであれば、居眠りはれっきとした教育問題であるともいえるのではないだろうか。
第1章において睡眠というもののメカニズムを理解し、睡眠の中の「居眠り」がもっている意味を探る。さらに「教育的居眠り」として教育現場での居眠りを特に取り上げ、その意義と教育における影響や役割を解き明かしていく。第2章では教育を受ける側の幼児、中学生、学生と3つの成長段階それぞれにおける居眠りに対する認識をアンケートで探り、現在の教育における問題点を挙げていく。第3章では、教育をしていく立場からの居眠りに対する見方を調査し、特に保健室勤務の養護教諭の観念を織り交ぜて、教育における居眠りのもつイメージを変化させていきたい。そして、教育問題のひとつとして居眠りを教育の中にどう位置づければよいのかを考えていこうと思う。